レバミピド(Rebamipide)

レバミピド(Rebamipide)は、胃の粘膜を丈夫にすることによって胃酸の刺激から胃壁を守り、胃炎や胃潰瘍を治療するための薬で、ムコスタ(Mucosta、登録商標第2330326号)の名で大塚製薬から発売されている。

概要

胃潰瘍の治療薬として開発された。

一般に胃潰瘍は、通常はバランスが取れている胃酸分泌に関わる調節機能が障害された場合に、胃液が胃の粘膜を消化する(傷つける)ことによって潰瘍ができるが、レバミピドはプロスタグランジン(PG)の産生を促進させることで胃壁を守る粘膜を増やし、胃粘膜の血流を促すことで、胃の胃酸に対する防御機能を高め、胃炎や胃潰瘍の治癒を促進する働きがある。

すなわち胃酸分泌をコントロールするのではなく、防御機構を回復させることで胃潰瘍を治療する。

レバミピドの開発以前は胃酸分泌に関係する物質としてはアセチルコリンヒスタミンなどが考えられていたが、大塚製薬ムコスタ開発チームはそれ以外の調整機能が生体内にあると想定し、ラットへの酢酸投与により胃潰瘍を発生させ、その治療過程において新たな治療効果を持つ化合物を探し、世界で初めてプロスタグランジンの胃粘膜保護作用を発見した。

鎮痛剤など胃壁を荒らしやすい治療薬と併用し、胃壁の荒れを予防する目的で投与されることも多い。

また、制酸剤やほかの潰瘍治療薬と併用することもある。ごく一般的に処方される薬である。


ムコスタ錠100(大塚製薬

適用

胃潰瘍、胃粘膜病変(出血、びらん、発赤、浮腫)、急性胃炎慢性胃炎に伴う胸やけ、吐き気、悪心、食欲不振、嘔吐消化器症状など。
種類

ムコスタ錠100、
ムコスタ顆粒20%
以上2種類

禁忌事項

レバミピドムコスタ)の添付文書によれば、

服用してはいけない場合:本剤の成分に対するアレルギーの前歴

妊婦:未確立・有益のみ、授乳婦:回避・授乳中止、小児:未確立
用法

成人は1日3回、100mg(ムコスタ錠100:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5g)を食前または食後に経口服用する。他は医師の指示通り。

一般的注意・副作用

安全性は高く、副作用はまれである。ごく稀にショック(アナフィラキシー症状)、血液障害(白血球減少、血小板減少)、発疹、肝障害(AST・ALT・γ-GTP、AL-Pの上昇)の報告がある。

服薬中止後の再発がしばしば見られるため、潰瘍がなくなった後もしばらくの期間続ける必要がある。

薬価

ムコスタ 100mg錠 22.1円